再雇用を断った私の“定年後のリアル”|不安と充実が交差した7年間

リタイア生活

会社に未練なし。でも不安だらけ──再雇用拒否から7年、無職のリアルな暮らしと本音、全部話します。

再雇用を断って無職になってから、もう7年が経ちました。

“自由で気楽”と思いきや、現実は甘くなかった。

でも、今はそれなりに穏やかで、豊かです。

今回は、定年後のリアルな暮らしと心の動き、そしてこの7年間で感じた“本当の価値”について話ます。

目次

【第1章】定年と再雇用拒否の決断

50代の半ば、私は再雇用を断ることを決めました。

理由はシンプルです。

この会社に未練がなかった。むしろ、やっと解放されるという気持ちが強かったんです。

 

もちろん、不安がなかったわけじゃありません。

収入が激減することもわかっていましたし、再雇用を断るなんて“もったいない”という声も聞こえていました。

でも、あのまま会社に残っても、ただ時間を消費するだけのような気がして。

心が「もう終わりにしよう」と言っていた。

家族とも話しました。眠れない夜もありました。

でも最終的に、私は自分の人生を“会社”から取り戻す道を選んだんです。

 

【第2章】退職後、最初の1年

退職して迎えた朝。目覚ましも鳴らない静かな時間に、私は自由を感じました。

でも、しばらくすると違う感情が芽生えてきました。次に押し寄せたのは、虚しさと焦燥感でした。

毎日、時間はある。でも、することがない。散歩に出ても心が晴れない。テレビをつけても笑えない。

周囲と自分を比べてしまい、「あの人はまだ働いてるのに…」と落ち込む日々。

年金はまだまだ先。収入はわずかな企業年金と約5か月間の失業手当、そして妻のパート収入のみ。

「これで生活できるのか?」

理屈ではわかっていたつもりでも、現実は想像以上に厳しかった。

自由は、安心とセットじゃない──それを初めて思い知った1年でした。

 【第3章】アルバイト生活とコロナ禍の失業

そんな中、知人の紹介で月5万円のバイトを始めました。

収入は少ないけど、人と関わることで元気になれました。

「まだ役に立てる」

その実感が、どれだけ心を救ってくれたか。

ところが、2年半経った頃にコロナがやってきました。

バイト先の業務が減り、私は突然職を失いました。63歳になっていました。

60代前半で無職になるという現実は、想像以上に堪えました。

“老い”と“社会から外れる怖さ”を、強烈に感じた出来事でした。

【第4章】無職生活のリアル

それからは完全に無職。収入は年金と、妻のパート代だけ。

貯金はごくわずか。毎月のやりくりはギリギリです。

 

でも、生活を見直すことで得たこともありました。

生活全般をダウンサイジング。贅沢をしない習慣。

そんな小さな知恵に、ちょっとした誇りも感じます。

そして、時間ができたことでやりたかったことや趣味が復活しました。

リモートで音楽、色鉛筆いらしと、そして孫との時間。

“働かないこと”に罪悪感を持つのではなく、“生きること”に目を向けるようになった気がします。

 

【第5章】家族と過ごす時間、そして老いと向き合う

退職して変わったのは、生活リズムだけじゃありません。

一番大きく変わったのは、家族との距離です。

 

妻と過ごす時間が増えました。

それまでゆっくり話す時間を持つこともなく、一緒に住んでいても別々のお互いの空間で生活していました。

最初はぶつかることもありましたが、今では同じペースで暮らせるようになりました。

 

孫と遊ぶ時間は、何ものにも代えがたい幸せです。

でも同時に、体力の衰えや通院の増加など、“老い”と正面から向き合う日々でもあります。

 

これから先の人生が長くはないと、現実的に感じるようになりました。

だからこそ、1日1日を大切に生きようと思えるようになったのです。

 

【第6章】今の暮らしと、これから

今の生活は決して楽じゃありません。

今でも、不安は常につきまといます。

でも、だからといって後悔しているわけではありません。

 

会社に残っていたら、もっと経済的には楽だったかもしれません。

でも、心はきっと、どこかで擦り減っていたと思うんです。

 

今の私は、収入は少ないけれど、“自分の時間”をちゃんと生きています。

これからも、やりたいことを見つけていきたい。

 

またバンドを組んで音楽を楽しむのもいい。

小さな旅をするのもいい。

何かを始めるのに、遅すぎることはないと思っています。

 

【エンディング】

この7年間、後悔がなかったわけじゃありません。

でも、会社を離れて“本当の自分の時間”が始まったと、今は思えます。

 

もし今、“再雇用か辞めるか”で迷っている方がいれば…

私はこう伝えたい。

『不安を消すことより、“受け入れて生きる力”を育ててください』

 

そして、定年後の人生を“自分のもの”として歩いていってほしいと思います。

Follow me!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました