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定年後、休み方を忘れたあなたへ
仕事人間だったあなた。
定年退職して、急に時間ができた。
でも――休み方が分からない。
予定のない日が、なぜか不安。
「何かしなきゃ」と思うのに、何をしたらいいのか分からない。
実は、私もそうでした。退職して最初の数ヶ月、
「やっと自由になれた!」と思ったのに、なぜか心が落ち着かない。
働いていない自分が、
“どこか間違ってる”ように感じていたんです。
でもその“違和感”こそ、心が休み方を忘れていた証拠でした。

【第1章:休み下手な元仕事人間の特徴】
そんな私も含め、定年後すぐに「休みの壁」にぶつかる人は多いのです。
その特徴を、いくつか紹介します。
🧩特徴①:予定がないと落ち着かない

カレンダーに何も書かれていない日があると、
“取り残された気分”になる。
周りが動いているのに、自分だけ止まっているようで焦る。
私も、そんな日にはつい「何か予定を入れなきゃ」と思って、
用もないのに外出していました。
でも今振り返れば、それは「予定が生きがいだった時代の名残」。
“予定がある=自分の価値がある”と思い込んでいたんです。
🧩特徴②:生産性がないと罪悪感
「今日は何もしてない」――そう言うと、
なぜか自分を責めてしまう。
“のんびり過ごす”ことが、怠けに感じてしまう。
私も最初の頃、
「今日、一日何やってたんだろう…」と自己嫌悪になることがありました。
でも、これって真面目すぎる証拠。
“結果”でしか自分を評価できなかった長年のクセなんですよね。
🧩特徴③:休んでいても、頭の中は“仕事モード
公園を歩いてても、
「この遊具、誰が管理してるんだろう?」なんて考えてしまう。
スーパーに行けば、
「このレジの流れ、動線が悪いな!。もっと効率化できそう」なんて(笑)
私もそうでした。頭がずっと“働く回路”のまま。
心は休みたくても、体がまだ現役スイッチに支配されているんです。
🧩特徴④:「人に必要とされない」ことへの恐怖
会社では何かしらの役目があったし、それなりに誰かに頼られていたのに、
今は誰も自分を必要としていない。
その静けさが、次第に寂しさに変わる。
私も一時期、「自分はもう、誰の役にも立たないんじゃないか」
そんな気持ちに襲われたことがありました。
でも――それは、“役割”を失っただけで、
“存在”を失ったわけじゃない。
その静けさを“怖がらずに味わう”ことから、再出発は始まりました。
【第2章:こうして克服した。私の休み方リハビリ】
そんな私も、少しずつ“休む力”を取り戻しました。
きっかけは、小さな発想の転換でした。

💡ステップ①:予定がない日を“ご褒美デー”にする
カレンダーに「何もない日」があったら、「今日は自由研究の日」と思うようにしました。思い切って、カレンダーに書き込んでもいいかも!
その日は、コーヒーをゆっくり淹れたり、録りだめたTV番組を観たり、
ギターを爪弾いたり…
“何かをやらなきゃ”じゃなく、“やりたいからやる”。
そう決めただけで、心が少し軽くなったんです。
💡ステップ②:“成果”ではなく“気分”で過ごす
「今日は何をしたか」より、
「どんな気分だったか」を意識するようにしました。
心が動いた瞬間―例えば、香り立つコーヒーや、道端の小さな花。
それをスマホで一枚、パシャリと撮る。
特別なことはしなくてもいい。
ただ、“良い気分”になった瞬間を写真に残すだけ。
夜、撮りためた写真を見返すと、その時の気分が鮮やかに蘇るんです。
“気分のログ”を写真で残すことで、心が少しずつ落ち着きを取り戻していきました。
💡ステップ③:体を動かして、頭を空っぽに
実は、心のリハビリでいちばん効果があったのが、
意識して体を動かす時間でした。
散歩でも、ギターでも、庭いじりでもいい。
何か「手や体を使う」ことに集中すると、
不思議と、頭の中の雑念がスッと消えていくんです。
まるで、思考のスイッチがオフになるみたいに、
頭の中が空っぽになり、静かに落ち着いていく。
この「思考のデトックス」が、私にとって最高の心のリハビリになりました。
💡ステップ④:“人に頼られない日”を楽しむ
そして、ある日、本当にふと気づいたんです。
「あぁ、そうか。誰にも頼られない日って、こんなにも自由なんだ」と。
それまでは、退職して社会との繋がりを失ったという思いから、
「自分はもう、必要とされていないんじゃないか」という漠然とした不安が、あったのかもしれません。
その“役割のない空白”**が、私を落ち着かなくさせていたんです。
でも今は、まるで別人のように違う。
誰に気兼ねすることなく、ただ自分の「こうしたい」という気持ちに正直に過ごせる。その心地よさこそが、本当の“自分時間”なんだと、腑に落ちたんです。
「何かを成し遂げること」や「誰かに必要とされること」 ではなく、
「自分の心が本当に求めているもの」を満たすこと。
そこにこそ、定年後の、かけがえのない幸福がありました
【第3章:休むことを覚えると、人生が輝く】

休み方を覚えると、人生の景色が変わります。
朝の光が、こんなにも気持ちよかったのか。
風の音が、こんなにも優しかったのか。
“生き急ぐ”より、“味わって生きる”。
その方が、ずっと豊かなんです。
やがて、心に余裕が生まれる。
人に優しくなれる。新しい趣味にも出会える。
そして何より――
“生きてるだけで、いいじゃないか”と思えるようになる。
定年後は、終わりじゃない。
“自分を取り戻す時間”の始まりです。
休むことを恐れなくなったとき、人はもう一度“はじめての自分”に戻れる
頑張らない勇気を持てたとき、
本当の意味で「自由な人生」が始まるのかもしれません。


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