「あの人のここを直せば、もっと上手くいくのに…」
そう思った経験、誰にでもあるのではないでしょうか?
しかし、相手の欠点を指摘することは、時に人間関係を壊してしまうほどのリスクもあります。
前回の記事では、相手に「指摘する」際に気を付けるべき7つのポイントを紹介しました。
今回は、その内容をさらに深堀りし、相手も自分も成長できる「魔法のフィードバック」のステップについて紹介していきます。
目次
1. なぜ「欠点の指摘」が難しいのか?
誰しも、自分が傷つくようなことを言われるのは辛いものです。
ましてや、それが「欠点」や「改善点」といった、耳の痛い内容であればなおさらですね。
相手を傷つけずに本音を伝えることは、簡単なことではありません。
私も過去には不用意な発言で何度も相手を怒らせたり、気まずくなったりしました。
あの経験は何回やってもしんどいものです。
だからと言って、何もしないでいると自分の中でストレスが一方的に溜まることになるので、これも良くないですね。。。
しかし、勇気を出してフィードバックをすることは、相手の成長と変化を促し、今後のより良い関係を築くための「未来への投資」と言えるのです。
2. 成長・変化を促す「魔法のフィードバック」4つのステップ
ステップ1:自己理解を深める – なぜあなたは相手に指摘したいのか?
まず、あなたがなぜ相手に指摘したいのか、その真意を明確にしましょう。
「相手のため」という言葉は美しく聞こえますが、そこに「自分の価値観を押し付けたい」「自分のイライラを解消したい」といった感情が隠れていないか、冷静に見つめることが大切です。
一度発してしまった言葉はもう回収不能!なんですね。
ありがちなことですが、思ったことを思わず口に出してしまってから、「しまった!!」と後悔すること、二度や三度ではありません。
例えば、仕事でミスが多い同僚に対してイライラしているとします。
「なんで、何度もこんな簡単なミスを繰り返すの?」
「結局尻拭いは俺たち。余計な負担が増えて迷惑だ…」
また例えば、バンド練習でメンバーの演奏に不満があるとします。
「全然弾けてない!。もっとちゃんと練習してきて。」
「フレーズ平凡すぎるから、もっと曲を引き立てるように弾いて…」
こういった感情を持つことはある意味仕方ないことです。
しかし、その気持ちをそのままぶつけても、相手は反発するだけです。
まずは、言いたいことをグッと呑み込み、抑え込んでから、
・「チームとして目標を達成するために、同僚にもっと成長してほしい」
・「お互いの得手不得手を理解して、バンド全体としてのパフォーマンスを上げる方法な何か」
といった、前向きで建設的な目的意識を持つように心がけたいですね。
ステップ2:共感から始まる「伝え方」
相手があなたの言葉に耳を傾けてくれるかどうかは、最初の5秒で決まると言っても過言ではありません。
「またお説教か…」と身構えさせてしまっては、その後の言葉は届きにくくなってしまいます。
たしかに「説教好きな人」はいます。自分に自信があるのかもしれないし、単にお節介なだけかもしれない。
でも結局は伝え方ひとつで
・「ありがとう、ストレートに言ってくれて!」と感謝されるか
・「うるさいな!ほっといてくれ!」と嫌われてしまうか …真逆の印象を与えてしまうんですね。
まずは、相手の状況や気持ちに共感し、相手を尊重し、成長を願っていることを言葉で伝えましょう。
例えば、
-
「いつも頑張ってるよね。よく分かっているけど…」
-
「さっきの演奏はよかった。でも、例えばこんなアプローチをとったらもっと良くなるかも…」
といった言葉から始めると、相手は身構えることなく、ごく自然に相手の心の扉をノックすることができます。
ステップ3:具体的な行動を言葉に乗せて
どんなに良いアドバイスも、抽象的な言葉だけでは、相手に伝わりません。
「もっと丁寧な仕事をして」「コミュニケーションをしっかり取って」といった曖昧な表現ではなく、「この書類を作成する時は、誤字脱字がないか、最後に必ず確認するようにしよう」「会議では、自分の意見を積極的に発言するように心がけよう」といった、具体的な行動指針を示すことが重要です。
曖昧な表現 | 具体的な行動指針 |
もっと丁寧な仕事をして | 書類を作成は、誤字脱字がないか、最後に必ず確認しよう |
コミュニケーションをしっかり取って | 会議では、自分の意見を積極的に発言するように心がけよう |
また、「○○すべき」「○○するな」といった一方的な言い方ではなく、「○○してみたらどうかな?」「○○すると、もっと良くなると思うよ」といった、提案型の表現を使うと、相手も受け入れやすくなります。
一方的な言い方 | 提案型の表現 |
●●すべき | ○〇してみたらどうかな? |
●●するな | 〇〇したらもっと良くなると思うよ |
ステップ4:未来への道筋を共に描く
フィードバックは、ゴールではなくスタートラインです。
指摘した後、相手がどのように成長・変われるのか、継続的なサポートが大事です。
例えば、
「前より、良くなったね!」、「これからも何か困ったことがあれば、いつでも相談してね」、「次回は、一緒に○○に挑戦してみよう」といった言葉をかけることで、相手は「無視された」「見捨てられた」と感じることなく、前向きに行動することができます。
3. まとめ:フィードバックは「未来への投資」
相手の欠点を指摘することは、勇気のいることです。
しかし、相手への思いやりと、伝え方を工夫することで、相手も自分も成長できる「魔法のフィードバック」に変えることができます。
今回紹介したステップを参考に、信頼関係を深めながら、周りの人たちと共に成長していきましょう。
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